発達障害というものが、明らかになってから約20年。著名人などのカミングアウトも行われる中で、発達障害当事者の体験記も大変増えて来ました。
自分のことを分かっているつもりでも、受け入れきれていない部分が発達障害者にはあると思います。
他人の体験を知ることは、同様の体験に対しては共感を得ながら、違う症状を知ることで人それぞれの障害特性の違いも理解し、自分ではまだ自覚出来ていない部分・受容しきれていない特性を理解する際に役立ちます。 段落
私もいくつかの関連書籍を読んで来ましたが、その中からいくつかをご紹介させて貰います。
「ぼくはアスペルガー症候群」
ミドルエイジ世代には共感出来る部分も多いと思います。ライトに漫画を読むように読み上げてしまえると思います。少し前の本ですが、専門的な部分があまりなくアスペルガー症候群(自閉症スペクトラム)の当事者観、社会での困りごとなどをサラッと学ぶことができます。
発達障害の僕がホームレスになった理由」
発達障害の特性から就職に失敗して、20代でホームレスになり生死を彷徨った経過をリアルに描いています。 ありのままの心境を描き、周囲からはわからないような小さなドラマや、興味分野への美学を素直に書かれていてとても読みやすかったです.
著者の発達障害者特有の視点・世界観に対して、特性が似ている部分では深く共感が出来て、違う所では発達障害の「症状の個別性」を感じました。
その後、福祉制度に繋がり社会復帰を行って行く過程が描かれているのがリアルで希望を持たせる内容になっています。
アスペルガー恋愛読本(The asperger love guide.)
成人の発達障害者にとって、就労・生計の次に大きな問題は恋愛だと思います。いや、特に男性のニーズとしては一番かもしれません。なぜなら恋愛の時ほど、人との距離感が難しいというネックが如実に表れるからです。そんな私達には切実に求められているマニュアルだと思います。
海外の書籍なので若干の文化の違いはありますが、発達障害当事者の恋愛体験記で非常に具体的な方法論が書かれています。
特にわかりやすかったのが、共感力の乏しいアスペルガー症候群の特性を、得意分野である合理的・科学的な解釈で恋愛の構造を説明している所でした。
当事者の立場で、ASDを理解し共感する形で進められるアドバイスは希望を生み、かなり詳細な特性に対して傾向と対策が書かれているので、非常に役立つものになると思います。恋愛に悩む多くの方に、是非お読み頂いてご自身の可能性に挑戦して貰いたいと思います。
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現在あわせて読みたい発達障害当事者の本
この記事を書いた当時よりも、発達障害の当事者が自分の体験を語る本は、さらに増えてきました。
以前は「発達障害とは何か」を知るための本が中心でしたが今はそれだけではありません。
自分の特性をどう受け止めるか。
どう働くか。
どう人とつながるか。
どう自分に合う場所を見つけるか。
そうした、より実生活に近いテーマを扱う本も増えています。
ここでは、今あらためて読みたい発達障害当事者の本を紹介します。
発達障害当事者研究――ゆっくりていねいにつながりたい
発達障害の当事者が、自分の感覚や人とのつながりにくさを、自分たちの言葉で考えていく本です。
発達障害は、専門家の説明だけで理解できるものではありません。
もちろん医学的な知識や支援の視点は大切です。
しかし、本人の内側で何が起きているのかは、当事者の言葉にふれることで初めて見えてくる部分があります。
この本は、発達障害を「困った症状」として外側から見るだけではなく、本人が自分の感覚や関係の難しさをどう捉え直していくのかを考える入口になります。
自分の困りごとを言葉にしたい人。
発達障害を、診断名ではなく生活実感として理解したい人。
支援者や家族として、本人の内側の感覚に近づきたい人におすすめです。
発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由
モデル・俳優として活動する栗原類さんが、自身の発達障害について語った本です。
有名人の当事者本ということもあり、専門書よりも読みやすく、発達障害に詳しくない人にも手に取りやすい一冊です。
この本の良さは、発達障害を「できないこと」だけで終わらせていないところです。
自分の特性を知り、合う環境や理解者と出会うことで、力を発揮できる場所はある。
そう感じさせてくれます。
発達障害があると、学校や職場でうまくいかない経験を重ねやすくなります。
その中で、「自分は社会に向いていないのではないか」と感じる人も少なくありません。
しかし、本当に大切なのは、本人の特性に合わない場所で無理に耐え続けることではなく、自分が力を出しやすい場所を見つけていくことです。
当事者本人だけでなく、家族や支援者にも読みやすい本です。
当事者が語る大人のADHD――私たちの脳には翼がある!
ADHDのある大人たちの体験を通して、日常生活や仕事、人間関係でのつまずきと工夫を知ることができる本です。
ADHDというと、「落ち着きがない」「忘れっぽい」「片づけが苦手」といった表面的なイメージで語られがちです。
しかし、実際にはそれだけではありません。
頭の中が忙しすぎる。
気持ちの切り替えが難しい。
やる気がないわけではないのに、始められない。
大事なことほど後回しにしてしまう。
人間関係の中で、言いすぎたり、空回りしたりする。
そうした内側の感覚は、当事者の語りから見えてくることがあります。
この本は、ADHDを単なる「困った行動」としてではなく、本人の内側で何が起きているのかを知る手がかりになります。
ADHDの診断を受けた人だけでなく、「もしかして自分もそうかもしれない」と感じている人にも読みやすい一冊です。
当事者の本を読む意味
発達障害の本には、専門家が書いた解説書もあれば、支援方法をまとめた本もあります。
それらはもちろん役に立ちます。
ただ、当事者の本には、それとは違う意味があります。
それは、「自分だけではなかった」と思えることです。
同じ診断名でも、困りごとは人によって違います。
生きてきた環境も、得意なことも、苦手なことも違います。
それでも、当事者の言葉にふれると、自分の中でぼんやりしていた感覚に名前がつくことがあります。
「そうそう、これがしんどかった」
「自分だけがおかしいわけではなかった」
「こういう考え方もあるのか」
そう思えるだけで、少し楽になることがあります。
発達障害を理解するためには、診断名や症状の説明だけでは足りません。
本人の言葉、生活の実感、失敗や工夫の積み重ねにふれることも大切です。
今回紹介した本は、その入口として読みやすいものです。
まずは気になった一冊から、手に取ってみてください。


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