アンパンマンの認知から学び直せば、学力があがる?


問題

おり紙が 40 まいあります。

1 人に 8 まいずつ配ると、 何人に分けられますか?

この問題を言葉でのコミュニケーションが困難な子に理解して貰うには、どんば教え方が必要でしょうか?

ちなみにこれは小学校3年生の文章問題です。

1日でということではありません。

この問題を理解するに行きつくまでには、どの様なかみ砕き方、教え方、考え方の基礎がいるのか?

私は発達障害児施設で学習を進めながら、考え続けていました。

まずはその子の学べる位置に立とうと問題を簡易にしていきました。

そして、さかのぼっていくと幼児教育に行き着きました。

●言葉を獲得する前は?

 私達は産まれてすぐに言葉が喋れたわけでも、文字が読めたわけでもありませんでした。

しかし、赤ちゃんや、「あうあうあ~」という喃語しか話せない乳幼児とのコミュニケーションも一方通行ばかりではありません。

赤ちゃんは泣くことで主張し、外界からの情報を仕入れながら単語を獲得していき、乳幼児期にかけて主張を具体化していくのです。

2歳頃のイヤイヤ期には言葉が十分でなくても自我を主張して親の手を焼かせてくれます。

言葉、単語とはなんなのか?

それは「意味」をカテゴリー(概念)化したものです。

例えば

ママという言葉の意味は

「母親」「お世話をしてくれる女性の養育者」などの意味をカテゴリー(概念)にしています。さらにカテゴリーを広げれば、旅館やスナックの女主人も通称されます。

赤ちゃんにとっては自分を育て、ごはんをくれて、お世話をしてくれる女性の親の姿を見て、「ママ」という言葉を覚えていきます。

 同様に経験していくことや、身の回りの物、食べ物などを見て、言葉を獲得していきます。

赤くて、甘くて、少しすっぱい、つぶつぶのある果物は「いちご」

食べたら心地よくて、幸せな気持ちになる感情を「おいしい」

など、単語がふえて表現方法が具体的になり、文章になっていきます。

●色・形・シンボル(象徴)理解

 そして、学びの獲得は経験だけではありません。

絵本、アニメ、テレビ、など、視覚や映像からも学習をしていきます。

特に乳児が認識しやすい形として〇・△・□といったシンプルな形状や、赤、青、黄などのはっきりした原色がとらえやすいのです。

こども達に不朽の人気があるアンパンマンは、アンパンマンの顔の丸みをこどもが目で追うことで興味を示すため、乳幼児教育の導入に必要とされ続けるのです。

私がこどもの頃から接していた強度の自閉症の方は、字は読めないけど大好きな「映画のロゴ」は「映画のタイトル」として、読めて不思議に思っていました。

この様な理解をシンボル(象徴)理解といいます。

●シンボル理解からの幼児教育・自閉症児の再学習

 自閉症児の言葉が未収得な状態は、シンボル(象徴)理解から言語理解の途上の乳幼児期に類似する点があります。

 ※自閉症状の度合いによって異なります。

自閉症児は、周囲の空気感などを感じ取りにくい分、そこで起こっている意味がわからず、カテゴリー(概念)化、言語の数は少なくなります。

また、言葉の意味を狭く、少なく覚えていることもあります。

例えば「見る」という言葉は

目で事物の存在などをとらえる。視覚に入れる。眺める。

という意味があります。 

ただ、そこに~様子を~「見る」という言葉が繋がると、

状況を見て、必要に応じて間に入って調整する。

 という意味がふくまれます。

その様な言葉の意味を狭く誤学習している為に「言葉通り」「字義通り」の誤解が生じる場合があります。

その為に、シンボル理解と、言語理解の間をつなぐ働きかけが必要になります

それが、幼児教育のノウハウの中にあります。

実際に私が自分のこどもに使っていた、ベネッセ教材はその狙いの細やかさに驚きました。

●年齢、発達段階に応じた学び

ここで、冒頭にあった文章題を思い返してみます。

問われていること、解き方、計算を2~3歳の乳幼児に求めるのは少しコクな話です。

なぜなら、まだ文字を覚える段階よりも、色・形・シンボル理解の段階だからです。

月齢に応じた学習レベルの提供は、興味を無理なく持ちながら達成感が味わえるものです。

ベネッセの教材には、文字を覚える前段階で絵・図示などで遊び要素のある問題が提供されています。

ただ、その遊び要素の中に認識力、数学力、国語力などを上げるねらいが含まれています。

それらが非常に計画的に系統だって提供をされているのです。

学校の文章問題が出来るまでには、様々なシンボル理解段階の積み上げがいります。その様な算数・国語の学びの基礎を積み上げていくことが出来るのです。

※詳細は以下参照

※就学に向けて大変役立っています。

●年齢ではなく、その子の発達段階に応じた学び

私は同時に、この学びのメソッドは言語・学習理解の遅れがある発達障害児にも応用出来るのではないかと感じて、放課後等デイサービスで実践をしていました。

年齢ではなく、学力の発達段階に応じた学習教材の選択と提供です。

その結果として、小学校低学年時では遅れが改善して学年並みに追いつき、文字がかけなかった児童がひらがなをかける様になっていったのです。

その実践は志半ばで潰えてしまったのですが、この学力・認知力に応じた学習素材の提供・働きかけに、自閉症状・学習障害症状改善の鍵があると感じました。

リンク先:発達障害者である専門職のRE

LD(学習障害)とは?

この様な学習の積み上げ直しは、学力テストだけではなく、素行、コミュニケーション能力に通じます。方法論としてはそこに一定の効果があると、私は自分の学び直しを通じて感じます。

ただ、その前に大きな課題があります。

まずは机に座って貰うことです。

その為の力を「社会情動的スキル」(学びに向かう力)と言って、近年の教育で注目されています。

その力こそが、生涯学び続ける基礎となり、どの様に伸ばすかの研究が進められています。

これから、人工知能やIT化が進んでいく中で、様々な人間の仕事がコンピューターに取って代わられると予想されています。

その様な時代に生き残っていく為には、考え、学び続ける力として社会情動的スキルが重要と言われています。 

ベネッセではいち早くその必要性を学習教材の狙いの中に含んでいます。

「社会情動的スキル」については、まだ伸ばす根拠は明らかではないそうですが、18歳から学びを始めた私は体験から説明が出来るではないかと考えています。

また、別の記事で「社会情動的スキル」を私の体験から紐解いて説明したいと思います。

※中学講座は以下参照。

※高校講座は以下参照。