なんでそんな話になるの?発達障害者の誤学習

誤学習・未学習 おすすめ書籍

何でそんな話になるの?

発達障害のある子や大人と関わっていると、

「なんでそんな受け取り方になるの?」
「何回言っても、どうして伝わらないの?」
「悪気はなさそうなのに、同じことを繰り返してしまう」

と感じることがあります。

もちろん、すべてを発達障害だけで説明できるわけではありません。

ただ、その背景に、誤学習未学習がある場合があります。

誤学習とは、間違った形で覚えてしまうこと。
未学習とは、そもそもまだ学べていないことです。

本人がわざと困らせているのではなく、
「そういうものだ」と覚えてしまっていたり、
「どうすればよいか」をまだ知らなかったりすることがあります。

この記事では、誤学習・未学習を軽く整理しながら、家庭や支援の場で参考になる本を紹介します。

「なんでそんな話になるの?」の背景にあるもの

発達特性があると、生活スキルや社会スキルを、自然に身につけることが難しい場合があります。

たとえば、

  • 人との距離感
  • 頼み方、断り方
  • 順番を待つこと
  • 感情が強くなった時の落ち着き方
  • 相手が嫌がっているサイン
  • お金や時間の見通し
  • 自分の物と人の物の境界

こうしたことは、多くの人が生活の中でなんとなく覚えていきます。

でも、発達特性があると、その「なんとなく」が入りにくいことがあります。

その結果、本人なりの解釈で覚えてしまったり、必要な経験を積めないまま来てしまったりします。

周囲から見ると、

「なんでそんなことをするの?」
「普通はわかるでしょ」

と思う行動でも、本人の中では、まだ整理できていないことがあるのです。


誤学習は「間違って覚えたこと」

誤学習とは、間違った形で覚えてしまうことです。

たとえば、

  • 泣けば要求が通った
  • 怒れば相手が折れた
  • 黙っていればその場をやり過ごせた
  • ごまかせば叱られなかった
  • 強く言えば相手が動いた

こうした経験が積み重なると、本人の中ではそれが「通用する方法」として残ることがあります。

もちろん、本人に悪意があるとは限りません。
その場を乗り切るために覚えた方法が、あとから対人関係をこじらせることもあります。

大切なのは、
「性格が悪い」と決めつける前に、何をどう覚えてきたのかを見ること
だと思います。


未学習は「まだ学べていないこと」

未学習とは、そもそも学ぶ機会がなかったり、本人に合う形で教えられてこなかったりした状態です。

これは、怠けているという意味ではありません。

たとえば、

  • どう頼めばいいかわからない
  • 断られた時にどう受け止めればいいかわからない
  • 片づけの手順がわからない
  • 時間の見通しが立たない
  • 感情が強くなった時の落ち着き方を知らない

ということがあります。

この視点を持つと、関わり方が少し変わります。

「なんでできないの?」ではなく、
「どこをまだ学べていないのか?」

と考えられるからです。


叱る前に、分解して考える

誤学習や未学習がある時、ただ叱るだけでは伝わりにくいことがあります。

「ちゃんとして」
「普通にして」
「何回言ったらわかるの」

と言っても、本人には何を変えればよいのかがわからないことがあります。

その時は、行動を小さく分けて考えることが大切です。

たとえば、

  • 何が起きたのか
  • 本人はどういうつもりだったのか
  • 相手は何に困ったのか
  • 次は何をすればよいのか

を一つずつ整理します。

「人の物を勝手に使わない」だけでは伝わりにくい場合は、

「使いたい時は、先に『借りてもいい?』と聞く」
「断られたら、『わかった』と言って戻す」

というように、具体的な行動まで分けた方が伝わりやすくなります。


誤学習・未学習・生活技能を学べる書籍

発達の気になる子の「できた!」が増えるトレーニング――誤学習・未学習を防ぐ!

この本は、発達の気になる子どもに対して、生活動作、数や時間、お金の概念、人とのやりとり、自制心などを、どう教えていくかを整理した実践的な本です。

良いところは、子どもの行動を単に「困ったこと」として見るのではなく、
どこをまだ学べていないのか
どうすれば“できた”につながるのか
という視点で見られるところです。

家庭で子どもの行動に悩んでいる保護者にも、支援者にも読みやすい一冊です。

特に、

  • 何度言っても伝わらない
  • 叱る以外の関わり方を知りたい
  • 生活スキルをどう教えればよいかわからない
  • 子どもの「できた」を増やしたい
  • 誤学習や未学習という視点を知りたい

という方に向いています。

【紹介文】

発達の気になる子どもに対して、生活動作、数や時間、お金の概念、人とのやりとり、自制心などをどう育てていくかを整理した実践的な本です。子どもの困った行動を、単に「問題行動」として見るのではなく、「どこをまだ学べていないのか」「どうすれば“できた”につながるのか」という視点で考えられます。誤学習・未学習を防ぐというテーマに直結しているため、この記事でまず紹介したい中心の一冊です。

15歳までに始めたい!発達障害の子のライフスキル・トレーニング

生活スキルの未学習を考える時に役立つ本です。
片づけ、時間、お金、身だしなみなど、自立に向けた力を育てたい家庭に向いています。

【紹介文】

発達障害のある子どもが、将来の自立に向けて身につけたい生活スキルを考えるための本です。時間の見通し、片づけ、お金の使い方、身の回りの管理などは、年齢が上がれば自然にできると思われがちですが、発達特性がある子には具体的に教える必要がある場合があります。「できて当然」と見てしまいがちな生活面を、未学習の視点から見直したい保護者におすすめです。

「できて当然」と見てしまいがちな生活面を、未学習の視点から見直したい保護者におすすめです。


15歳までに始めたい!発達障害の子のライフスキル・トレーニング

発達が気になる子のソーシャルスキル遊び

低年齢・家庭向けに紹介しやすいです。
「勉強っぽくなく、遊びながら学ぶ」という切り口になります。

生活スキルの未学習を考える時に役立つ本です。
片づけ、時間、お金、身だしなみなど、自立に向けた力を育てたい家庭に向いています

紹介文

小さい子や、机に向かって学ぶことが苦手な子には、遊びの中でソーシャルスキルを育てる方法も合いやすいです。
「教え込む」よりも、遊びながら人との関わり方や生活に役立つ力を育てたい家庭に向いています。
誤学習を防ぐには、正しい行動を早い段階から楽しく経験しておくことも大切です。


発達が気になる子のソーシャルスキル遊び

【商品リンク挿入欄:「発達障害」だけで子どもを見ないで その子の「不可解」を理解する】

人との関わり方を、遊びの中で学びたい時に使いやすい本です。
教え込むより、楽しく経験しながら身につけたい子に向いています。            診断名だけでは見えにくい、その子なりの受け取り方や行動の背景を考えるための本です。
「なんでそんな話になるの?」という違和感を、責める前に理解する視点につなげてくれます。

【紹介文】

発達障害の診断名があると、子どもの行動をつい「特性だから」と見てしまうことがあります。もちろん特性の理解は大切ですが、それだけでは「なぜ、その子はそう受け取ったのか」「なぜ同じ行動を繰り返すのか」という背景までは見えにくいことがあります。この本は、周囲からは「不可解」に見える行動の奥にある、その子なりの理由や受け取り方を考えるための一冊です。誤学習・未学習を理解するうえでも、診断名だけで片づけず、その子自身を見る視点を持ちたい保護者や支援者におすすめです。


発達障害の子どもの「できる」を増やす提案・交渉型アプローチ

【商品リンク挿入欄:発達障害の子どもの「できる」を増やす提案・交渉型アプローチ】

「叱らないけれど、譲りすぎない」関わりを考える時に相性のよい本です。
誤学習を強めず、子どもと現実的に折り合う視点を持ちたい時に役立ちます。

【紹介文】

発達障害のある子どもに対して、一方的に叱るのではなく、子どもとやりとりしながら「できる」を増やしていくための本です。誤学習や未学習への対応では、何でも許すことも、力で押さえつけることも、どちらも難しさがあります。この本は、子どもの困りごとを見ながらも、必要な線引きや提案をどう行うかを考えるうえで参考になります。

「発達障害」だけで子どもを見ないで――その子の「不可解」を理解する

診断名だけでは見えにくい、その子なりの受け取り方や行動の背景を考えるための本です。「なんでそんな話になるの?」という違和感を、責める前に理解する視点につなげてくれます。

【紹介文】

発達障害の診断名があると、子どもの行動をつい「特性だから」と見てしまうことがあります。もちろん特性の理解は大切ですが、それだけでは「なぜ、その子はそう受け取ったのか」「なぜ同じ行動を繰り返すのか」という背景までは見えにくいことがあります。この本は、周囲からは「不可解」に見える行動の奥にある、その子なりの理由や受け取り方を考えるための一冊です。誤学習・未学習を理解するうえでも、診断名だけで片づけず、その子自身を見る視点を持ちたい保護者や支援者におすすめです。

まとめ

発達障害のある子や大人の行動には、周囲から見ると理解しにくいものがあります。

でも、その背景には、

  • 間違って覚えてしまったこと
  • まだ学べていないこと
  • 自然には身につきにくかったこと
  • 本人なりに乗り切るために覚えたやり方

が隠れていることがあります。

もちろん、すべてを許せばよいわけではありません。
周囲が困っている場合には、線引きも必要です。

ただ、責める前に、

「どこで誤学習したのか」
「何が未学習なのか」

と考えることで、関わり方は少し変わります。

その入口として、今回紹介した本は関わりのヒントになると思います。

深く考えたい方へ

この記事では、誤学習・未学習について軽く触れました。

より深く考えると、これは子どもだけの話ではありません。
大人の発達障害、当事者の生きづらさ、家庭や学校での関わり方にもつながります。

「なぜ、自分はこんなふうに覚えてきたのか」
「なぜ、人とのやりとりでズレが起きるのか」
「どうすれば学び直せるのか」

こうしたテーマは、私自身の遍歴とも深く関係しています。

そのあたりは、別の記事でじっくり書いていきたいと思います。

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