なんでそんな話になるの?発達障害者の誤学習
訳わからんこと言うな!!
アホ、ボケ、カス、ウ〇コ!
なんでうちの子、あんなに話が通じずんと、すぐに居直るんやろな。
「誤学習」「未学習」があるんちゃいまっか?
あんたと一緒で!
アホ、ボケ、カス、ウ〇コ。。。
「誤学習」「未学習」とは?
発達障害を持っていると、自然と体得していく生活スキルや社会スキルを独自の解釈で間違って覚えていることがあります。
たとえば、幼児期の言葉の理解は「なんとなくこんな場面でこの単語をつかっている」というニュアンスの覚え違いがあります。
先日、6歳の娘が料理の見栄えを見て「リアルやな~」と言っていました。意味を聞いてみると「豪華に見える」と言いたかったみたいですが、ささいな単語の誤学習がわかりました。
「誤学習」とは、理解が断片的だったり、経験上で一面的な理解であったり、自分にとって都合のいい解釈をしていることなどで起こります。
「未学習」とは、知識・経験としてまったく学ばれておらず、当たり前に理解していると思えることをどうしてよいかわからない状態です。
発達障害者の考え方の中には、あらゆる物事の理解を「誤学習」「未学習」していることが多いのです。
私の中のマニアックで偏った単語理解
私も、、、「誤学習」「未学習」のカタマリでひやひやしながら、修正をしていっています。私は「言葉」の意味理解をよく間違っていました。
辞書で調べて読解した内容ではなく、コミュニケーションを通じて経験としてニュアンス理解が普通は出来る「言葉の理解」について、結構間違えて覚えていたのです。
私は17歳を過ぎて急激に本を読めるようになりました。最初はわからない言葉につまづく事が多く、わからない言葉が出てくるごとに辞書で調べながら読んでいきました。
その中ではずかしいぐらいに「言葉の意味」を間違って覚えていたと気づいていきました。
違ったOSを頭に積んでいる私達は、同じ経験をしていたとしても見ている視点が、狭く深くマニアックに特化していたりして、全体のエピソードを捉えていないことがあります。
そんな独自に解釈された世界観の中で「誤学習」が積み上げられていくと、大人になって大きな落とし穴となってしまうのです。
誤学習がうむモラルハザード
「誤学習」は単語の意味理解にとどまりません。下手をすると犯罪行為に陥るぐらいの道徳性や良識の欠如にもつながるのです。
例えば、こども頃に「欲しいオモチャ」を手に入れたい為に「泣きわめく」「怒る」と保護者から買って貰えたという経験から、「欲しいもの」を手に入れる為に「大声を出して恫喝をする」という誤学習を生んでしまうこともあります。
「自分の持ち物」「他人の持ち物」の境界が「未学習」であれば、人の持ち物を取りあげて勝手に使い倒したり、ためらいもなく公共物を壊してしまうこともあります。
そして、注意をされても「何が悪いのかわからない」状態になってしまいます。
療育支援歴30年以上のベテランの実践的アドバイス
発達の気になる子の「できた!」が増えるトレーニング 誤学習・未学習を防ぐ!
橋本美恵/著 鹿野佐代子/著 出版社 翔泳社 出版年月 2018年5月
本書は著者達の長年の支援経験を元に、発達障害児・者の根本にある「誤学習」「未学習」に焦点を当てて解説をされています。
発達障害児・者の行動理由を理解する鍵になり、具体的な対策が学べます。
「誤学習」「未学習」を残したまま大人になることで「離婚原因」となったり「ゴミ屋敷」を生んでしまった例は、トレーニングの必要性を実感させると同時に、多くの困難を抱えている大人の発達障害者を理解する素材となります。
生活動作、数や時間、お金の概念、人とのやりとり、自制心など、家庭で実践できる発達障害の子への取り組みを、実践に裏付けられてやさしい表現で書かれています。
発達障害のこどもだけでなく、大人の方でも学び直せること、また発達障害でない方々にも役に立つ情報が載せられている実践的な一冊です。
※詳細は以下参照です